「苦肉之計」~自らを傷つけて勝利をつかむ~

おもしろ四字熟語
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三国志の名高い「赤壁の戦い」において、呉の大都督・周瑜と老将・黄蓋(こうがい)は、敵である曹操の大軍を打ち破るため、巧妙な策略「苦肉之計」を実行しました。

自らを傷つける壮絶な芝居で敵を欺き、大勝利をもたらしたこの故事は、今なお戦略の妙として語り継がれています。

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苦肉之計の意味

苦肉之計(くにくのけい)とは、

  • 本来は自らを犠牲にしてでも相手を欺き、目的を達成するための高度な戦略を指します。特に三国志の赤壁の戦いにおける周瑜と黄蓋の策が有名です。
  • ただし、現代では「苦し紛れの手段」「やむを得ない最後の策」といった意味合いで用いられることも多くなっています。
「計」は「はかりごと」とも読みます。

苦肉之計の使い方と例

苦肉之計は、絶体絶命の状況や不利な立場を逆転するため、自らを犠牲にしてでも敵を欺く最後の手段として使われます。

  • 彼は敵を油断させるために、あえて苦肉之計に出た。
  • この作戦は苦肉之計にすぎなかったが、結果的に大成功を収めた。
  • 上司の指示でやむなく苦肉之計を使う羽目になった。

苦肉之計の由来・語源

苦肉之計とは、自らを犠牲にする芝居を打つことで相手を欺き、信用させる策を指します。この言葉は、中国の歴史小説『三国志演義』に描かれた「赤壁の戦い」のエピソードに由来します。

物語では、呉の大都督・周瑜が魏の曹操率いる大軍に対抗するため、老将・黄蓋と共に苦肉之計を企てました。

当時、曹操軍の兵士たちは水上生活による船酔いに悩まされており、そこに目をつけた龐統が一計を案じます。彼は曹操に対し、「船を鎖で連ねれば揺れが抑えられる」と進言し、これを採用させました。これが、のちに火計を成功に導く伏線となった策略「連環之計(れんかんのけい)」です。

黄蓋はこの弱点を突くため、軍規違反を装って周瑜から鞭打たれ、血まみれの姿で曹操のもとに赴き、降伏を申し出ます。曹操は黄蓋の投降を信じ込み、その接近を許しました。

やがて黄蓋は火を仕掛けた軍船で突入し、繋ぎ止められていた曹操軍の船団は瞬く間に炎上。密集状態のまま逃げ場を失った曹操軍は、壊滅的な打撃を受けたのです。

このように、連環之計によって仕込まれた隙を苦肉之計によって突き、大勝を収めたこのエピソードが、四字熟語「苦肉之計」の由来となりました。

なお、龐統は赤壁の戦いの時点では特定の陣営に属していない策士として登場しますが、後に劉備に仕官し、諸葛亮と並ぶ軍師として活躍します。
この経歴から見ても、連環之計の進言は単なる船酔い対策ではなく、曹操の覇権拡大を阻止し、呉や劉備側に有利な状況を作るための深い意図があったと考えられます。

赤壁の火計は、龐統の隠された策と周瑜・黄蓋の苦肉之計が見事にかみ合ったことで、大成功を収めたのです。

赤壁の戦いと曹操に関連する四字熟語

今回紹介した「苦肉之計」は、三国志の「赤壁の戦い」において、呉の周瑜と黄蓋が連合軍を率い、後漢の丞相であり後に魏の礎を築いた曹操率いる大軍を相手に仕掛けた策略に由来します。以下では、赤壁の戦いの対戦相手であった曹操に関連する四字熟語をご紹介します。

  • 望梅止渇|曹操が兵士たちの喉の渇きを巧みに癒した智謀の故事
  • 黄絹幼婦|曹操と楊脩の間で交わされた、機知に満ちたやりとり
  • 老驥伏櫪|老いても志を失わなかった曹操の不屈の精神を表す故事

呉の武将に関連する四字熟語

このブログでは、呉の名将である周瑜(しゅうゆ)と黄蓋(こうがい)を中心に紹介してきました。ここでは、それにちなんで、呉の武将や呉にまつわる四字熟語をまとめています。

  • 読書百遍|呂蒙が孫権の勧めで学問に励み、武勇だけでなく知略を身につけた逸話
  • 呉下阿蒙|呂蒙が大きく成長し、魯粛に「もはや呉下の阿蒙ではない」と称賛された故事に由来
  • 括目相待|呂蒙の成長に驚いた魯粛に対して、呂蒙が「士は三日も会わなければ、目をこらして見直すべきだ」と語った故事
  • 昼夜兼行|呂蒙が関羽を討つために、昼夜を問わず軍を進めたことに由来
  • 藍田生玉|孫権が諸葛瑾の息子・諸葛恪を称賛して語った逸話
  • 車載斗量|諸葛亮が呉の皇帝・孫権に対して、江東の地は「人材が豊富で、車に載せ斗で量れるほど多い」と称賛した言葉
  • 攀竜附驥|張昭が賢君孫権に仕える姿から、優れた人物に従うことの意義を説いた語
  • 開門揖盗|張昭が孫権に忠告した故事にちなみ、油断の危険を戒めた語
  • 百挙百捷|呉の知将・周魴が敵将を謀略で翻弄し、百戦百勝の活躍を見せた故事
  • 三者鼎立|呉の重臣・陸凱が過去の三国均衡を理想とし、戦略的に提言した故事成語

苦肉之計の類義語・対義語

類義語

四字熟語 意味
苦肉之策(くにくのさく) 自らを犠牲にして相手を欺くための策
窮余一策(きゅうよいっさく) 追い詰められて最後にひねり出した一策
権謀術数(けんぼうじゅっすう) 策略や術策を駆使して物事を進めること

対義語

四字熟語 意味
天下大平(てんかたいへい) 争いもなく、天下が平和な状態
以心伝心(いしんでんしん) 言葉にせずとも心が通じ合うこと

苦肉之計の英語表現

英語 意味
Stratagem of Self-injury 自らを傷つけて相手を欺く戦略

苦肉之計のまとめ

苦肉之計は、大きなリスクを伴いながらも、成功すれば敵を完全に欺き、形勢を逆転できる強力な戦略です。三国志での周瑜と黄蓋の活躍は、信頼と覚悟、そして綿密な計画の重要性を今に伝えています。

現代社会においては、苦肉之計は「苦し紛れの手段」としても用いられますが、本来の意味を知ることで、その言葉の重みがより深く理解できるでしょう。

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