嚢沙之計|韓信が土嚢で川を制した知略の一手

おもしろ四字熟語
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戦に勝つために剣だけではなく、知恵を使う──。

古代中国の戦場では、巧妙な計略が勝敗を左右しました。「嚢沙之計(のうしゃのけい)」は、まさにその知略の極み。将軍・韓信が土嚢を用いて川を制し、敵軍を一網打尽にした逸話から生まれた四字熟語です。

地形と自然を味方につけたその戦術には、現代にも通じる洞察が隠されています。

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嚢沙之計の意味

「嚢沙之計(のうしゃのけい)」とは、韓信が川の上流に大量の土嚢を築いて水を堰き止め、敵軍が川を渡ろうとした瞬間にそれを破って濁流を起こし、一挙に敵を撃破した策略を指します。

  • 「嚢沙」は「土嚢(どのう)」の意味で、布袋や袋に砂(沙)を詰めたものを指し、
  • 「計」は計略。すなわち「土嚢を用いた戦略」を意味しています。

この語は比喩的に、事前に周到な準備をして機を見て一気に仕掛ける戦略の象徴とされ、現代でも戦術的判断や用意周到な仕掛けに使われることがあります。

嚢沙之計の使い方と例

「嚢沙之計」は、歴史上の戦術を語る際に用いられる四字熟語で、特に水や地形を巧みに活用した戦略を表現する際に用いられます。

  • 韓信の嚢沙之計は、土嚢で川を堰き止めて敵軍に濁流を浴びせた知略の極みとされる。
  • 豊臣秀吉の高松城水攻めや、上杉謙信が川中島で試みた放水策も、嚢沙之計に通じる発想といえる。
  • 自然を味方にした戦術の代表例として、嚢沙之計はしばしば軍略研究でも引用される。

語源・由来|『史記』淮陰侯列伝に見る韓信の水攻め

「嚢沙之計」は、司馬遷の『史記』「淮陰侯列伝」に記された、韓信が魏を攻略した際の戦術に由来します。

韓信は魏軍に対して、川の上流に大量の土嚢(嚢沙)を積み上げて堤を築き、水を堰き止めました。そして敵軍が川を渡ろうとした絶妙のタイミングで、その堤を崩して濁流を引き起こし、敵軍を混乱させて一気に攻撃を仕掛けたのです。

この戦術により、韓信は魏軍を大破し、戦局を有利に進めました。

原文:
乃使萬人持嚢沙為堤 以決水灌魏軍

書き下し文:
すなわち万人をして嚢沙(のうしゃ)を持ち堤をなさしめ、水を決して魏軍を灌(そそ)がしむ。

訳文:
万人に命じて土嚢を用いて堤防を築かせ、それを決壊させて魏軍に水を浴びせかけた。

このように、「嚢沙之計」は自然の力を戦略に組み込むという画期的な戦術として記録されており、韓信の知略を代表する一幕です。

韓信にまつわる知略・忠言・栄光と転落を描いた四字熟語

「嚢沙之計」と同様、韓信の人生とその知略・運命を描いた四字熟語には以下のようなものがあります。あわせて読むことで、韓信という人物の多面性がより深く理解できます。

嚢沙之計の類義語・対義語

類義語

語句 意味
権謀術数(けんぼうじゅっすう) 策略を巡らせて目的を達成する手段・戦術
奇策妙計(きさくみょうけい) 奇抜で巧みな戦略や計略

対義語

語句 意味
無為無策(むいむさく) 何の計画や方針もなく物事に対処すること
暗中模索(あんちゅうもさく) 見通しのない中で手探りで道を探ること

嚢沙之計の英語表記と意味

英語表記 意味
Floodgate Tactic 堤を築いて水をせき止め、タイミングを見て解放する戦術
Strategic Use of Natural Forces 自然の力(水流)を利用して敵を制する戦略
Tactical Water Release Plan 水を戦術的に放出し、敵を混乱させる作戦

自然を制して勝つ|嚢沙之計が教える戦略の核心

「嚢沙之計」は、兵力や武力に頼らず、自然や地形を戦術に取り入れることで勝利を収めた戦法です。

現代においても、事前の準備、環境の読み取り、タイミングの見極めといった戦略の要諦を教えてくれます。韓信の知略は、今なお多くの学びを与えてくれます。

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