
ビジネスでもプライベートでも、時に「一緒に運命を共にする」という強い覚悟が求められる場面があります。そんなときに思い出したいのが、今回ご紹介する四字熟語「一蓮托生(いちれんたくしょう)」です。
この言葉には、単なる協力や連携を超えた、深い信頼と覚悟が込められています。本記事では、「一蓮托生」の意味や語源、使い方や類義語・対義語について詳しく解説します。
一蓮托生とは
「一蓮托生(いちれんたくしょう)」とは、良いことも悪いことも含めて他者と運命を共にする、という意味の四字熟語です。特に、困難やリスクのある状況でも互いに協力し合う覚悟を表すときに使われます。
一蓮托生の語源・由来|仏教に由来する深い意味

この言葉は、仏教の「浄土思想」に由来します。浄土教では、阿弥陀仏の救いによって極楽浄土に生まれ変わることを「往生」と呼びます。その際、「同じ蓮の花の上に生まれ変わる(=一蓮に托生する)」とされるのです。
つまり、「一蓮托生」は、来世においても同じ蓮の上に生まれ変わるほど深い絆・信頼関係を意味しており、そこから転じて「現世でも運命を共にする」という意味で使われるようになりました。
一蓮托生の使い方と具体例
この四字熟語は、ビジネスや友情、恋愛、戦争など、さまざまな文脈で使われます。以下に例文を挙げます。
- 彼とは長年の盟友だ。もうここまで来たら、一蓮托生の覚悟だ。
- このプロジェクトは全員で一蓮托生の気持ちでやり遂げよう。
- あの二人はまさに一蓮托生。成功も失敗も共にしている。
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一蓮托生の類義語・対義語
類義語
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 死なばもろとも | たとえ死ぬことになっても、一緒に行動しようとする強い覚悟を表す言葉 |
| 運命共同体 | 運命を共にする仲間や組織のこと。成功も失敗も一体である関係 |
| 一心同体 | まるで一つの心と体であるかのように、深く結びついた関係を指す |
対義語
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 孤立無援 | 助けも支えもなく、ただひとりで困難に立ち向かわなければならない状態 |
| 他人事 | 自分とは関係のないこととして、関心や責任を持たない態度 |
| 無関心 | 物事に関心や興味を持たず、関わろうとしない態度や姿勢 |
一蓮托生の英語表記と意味
| 英語表記 | 意味 |
|---|---|
| Share the same fate | 運命を共にする |
| Sink or swim together | 成功も失敗も一緒に背負う |
一蓮托生の現代的な意義

現代社会では、個人主義が進む一方で、「共に歩む」姿勢があらためて見直されています。企業やチーム、あるいは夫婦や家族といった人間関係において、「一蓮托生」の覚悟を持つことは、信頼と絆を強める大きな力となります。
一蓮托生に関連する四字熟語
一蓮托生のまとめ
「一蓮托生」は、仏教に根ざした言葉でありながら、現代の人間関係や組織にも通じる普遍的な価値を持っています。運命を共にする覚悟、協力して困難を乗り越える強さ──この四字熟語が持つ深い意味を、今こそ再認識したいところです。
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