
年齢を重ねても、志を抱き続ける姿勢は、現代に生きる私たちにも大きな励みになります。
今回は、そんな不屈の精神を表す四字熟語「老驥伏櫪(ろうきふくれき)」について、その意味や語源、使い方を詳しく解説します。
老驥伏櫪の意味
老驥伏櫪(ろうきふくれき)とは、「年老いた名馬が、なおも走りたいと志を失わずにいること」をたとえて、年をとっても志を失わず、なおも何かを成し遂げようとする姿勢を表す言葉です。
現代では、定年後も挑戦を続ける人や、年齢に関係なく自己実現を目指す人への称賛の言葉として使われることがあります。
老驥伏櫪の由来と出典『歩出夏門行』
「老驥伏櫪」は、中国後漢末期から三国時代初期にかけて活躍した魏の君主・軍略家・詩人であり、「乱世の奸雄」と称された魏王・曹操が詠んだ詩『<歩出夏門行(ほしゅつかもんこう)・龜雖壽(きすいじゅ)』に由来します。
原文:
老驥伏櫪 志在千里
烈士暮年 壯心不已書き下し文:
老驥は櫪に伏すも、志は千里に在り。
烈士は暮年なれども、壮心已まず。訳文:
老いた駿馬が馬屋に伏していても、志はなお千里を駆けようとしている。
立派な志をもつ者は晩年を迎えても、その壮大な志を決して捨てない。
この詩は、老境にあった曹操が、肉体の衰えを感じながらも、なお国家統一の志を捨てぬ自らの気概を歌ったものです。「老驥」は老いた名馬、「伏櫪」は馬屋に横たわることを意味し、そこに燃え続ける「志在千里(志は千里を走る)」という強烈な願望が重ねられています。
この表現は、年老いてもなお大志を持ち続ける人物への称賛として、後世に広まりました。
老驥伏櫪の使い方と例文
「老驥伏櫪」は、年齢を重ねた人がなおも高い志を持ち続けているときに、敬意を込めて使います。
- 彼は70歳を超えても新しい事業に挑戦している。まさに老驥伏櫪の精神だ。
- 老驥伏櫪のごとく、先輩は今も後進の育成に情熱を注いでいる。
曹操と曹植にまつわる四字熟語を深掘りしよう
この記事で登場した曹操は、智謀に優れた軍略家であり詩人としても知られています。また、その息子・曹植は、後世に語り継がれるほどの文才を持った天才詩人でした。
彼らに関連する四字熟語は、三国志の奥深い魅力を知るうえで絶好の入り口です。ここでは、彼らを中心とした物語や逸話に基づく成語をご紹介します。
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浮雲翳日(ふうんえいじつ):孔融の忠言が曹操によって退けられ、賢が用いられぬ時代を憂いた言葉- 清聖濁賢(せいせいだくけん):禁酒令に背いた徐邈に対し、曹操が寛容さを見せた際の評価語
- 子建八斗(しけんはっと):曹植の文才を「八斗の才」と称えた逸話
鶴立企佇(かくりつきちょ):曹植が弟・曹彪に宛てた手紙に見られる、再会を待ち望む心情を表した比喩。- 七歩之才(しちほのさい):七歩の間に詩を完成させた曹植の驚異的な即興力
- 煮豆燃箕(しゃとうねんき):兄弟の争いを詠んだ曹植の切なる詩の一節
- 七歩八叉(しちほはっさ):曹植の即興詩才を象徴する伝説的な四字熟語
- 明眸皓歯(めいぼうこうし):曹植・甄氏をめぐる詩情豊かな描写から生まれた、美しさと哀切を讃える語
曹操の智謀、曹植の詩才──二人が残した数々の逸話を紐解くことで、三国志の物語が一層深みを増します。興味を持った方は、ぜひそれぞれの記事を覗いてみてください。
老驥伏櫪の類義語・対義語
類義語
| 熟語 | 意味 |
|---|---|
| 志操堅固(しそうけんご) | 志や信念が堅く揺るがないこと |
| 不撓不屈(ふとうふくつ) | どんな困難にも屈せず、強い意志をもって立ち向かうこと |
| 老当益壮(ろうとうえきそう) | 年老いてもますます盛んであること |
対義語
| 熟語 | 意味 |
|---|---|
| 意気消沈 | 気力を失い落ち込んでいること |
| 志半ば | 志を果たす前に道を絶たれてしまうこと |
老驥伏櫪の英語表記と意味
| 英語表記 | 意味 |
|---|---|
| An old steed in the stable still aspires to gallop a thousand miles | 年老いても高い志を持ち続けること |
老驥伏櫪のまとめ
「老驥伏櫪」は、年齢にとらわれず、志を貫こうとする強い意志を表す四字熟語です。曹操の詩から生まれたこの言葉は、人生の後半にさしかかっても情熱を失わない人への敬意として、今なお使われています。
現代においても、自らの限界を決めずに挑戦し続ける姿勢は、多くの人の心に響くのではないでしょうか。
▶三国志に関連するその他の四字熟語:
飛鷹走狗(ひようそうく):好んで狩猟を楽しむさま。袁術の放縦さと対比される、権力者の奢侈の象徴- 冢中枯骨(ちょうちゅうのここつ):劉備が徐州の後継者に袁術を推すも、孔融が一笑に付した言葉。形ばかりで中身のない人物への痛烈な批評
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