韓信匍匐|辱めに耐えた知略の将・韓信の決断

おもしろ四字熟語
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「一時の恥を忍んでこそ、大きな成功が掴める」──そんな信念を胸に、歴史上の英傑・韓信が味わった屈辱と再起の物語から生まれた四字熟語があります。それが「韓信匍匐(かんしんほふく)」です。

現代でも、屈辱をバネにして飛躍を遂げる場面でたびたび引用されるこの語句は、人生における「忍耐と逆転の美学」を私たちに教えてくれます。

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韓信匍匐の意味

「韓信匍匐(かんしんほふく)」とは、大きな目的のために、怒りを抑えて一時の屈辱に耐え、恥を忍ぶことを意味する四字熟語です。

「匍匐」は「腹ばいに進む」ことを指し、「蒲伏」とも書かれます。
この語は、韓信が無名の若者であった頃に味わった「股くぐりの屈辱」に由来し、理不尽な状況においても感情を制し、後の成功のために耐え抜く姿勢を表します。

韓信匍匐の使い方と例文

この語句は、恥を忍んで成長や成功のために耐える姿勢を形容する際に使います。ビジネスやスポーツ、人生の転機において引用されることが多く、「今は這いつくばってでも後に立ち上がる」という精神を象徴します。

  • 新人時代は韓信匍匐のごとく雑用に耐え、実力を磨いた。
  • 彼のような韓信匍匐の精神があれば、きっと困難を乗り越えられる。
  • あの屈辱を忘れるな。韓信匍匐の教訓こそ、成功への第一歩だ。

語源・由来|『史記』淮陰侯列伝より

「韓信匍匐」は、司馬遷が記した歴史書『史記』の「淮陰侯列伝」に登場する実話に由来します。

韓信は若き日、貧しく世に知られていませんでした。あるとき、町の屠殺者の一人が彼を侮ってこう言います:

「若(なんじ)は雖(いえど)も長大、好んで刀剣を帯ぶと雖も、中情は怯なり。」
「能く死なんには、我を刺せ。不能なれば、我が胯下(こかか)を出でよ。」

そして男は、自ら股を広げ、韓信に屈辱的な選択を迫ります。これは当時の社会通念では極めて恥ずべき行為でした。

韓信はその男を冷静に見つめ、黙ってその股下を這い出て、その場を収めました。これがいわゆる「韓信の股くぐり」と呼ばれる逸話です。

【原文】

里中少年有侮信者 曰
若雖長大 好帶刀劍 中情怯耳
乃俛而脅信 曰
能死 刺我 不能死 出我胯下
信孰視之 俛出其下
或笑信 信曰 小人也 安能與我屈伸

【書き下し文】

里中に少年にして韓信を侮る者有りて曰はく、  
「なんじは長大なれども、好んで刀剣を帯ぶといえども、内心は臆病なるのみ。」  
すなわちかがみて韓信を脅して曰はく、  
「死なんと欲せば我を刺せ。欲せざれば、我が胯下を出でよ。」  
韓信はこれをじっと見て、かがみてその下を出ず。  
あるいは韓信を笑ふ。韓信曰はく、「小人なり。あに我と屈伸を為すべけんや。」

このように、韓信は感情に流されず、将来の大成を信じてあえて屈辱を受け入れたのです。

やがて彼は劉邦に仕えて抜擢され、数々の戦で勝利を収めて楚を滅ぼし、漢帝国の基盤を築く大将軍となりました。この逸話は「韓信の股くぐり」として語り継がれ、そこから生まれたのが四字熟語「韓信匍匐(かんしんほふく)」なのです。

韓信に関連するその他の故事成語

「韓信匍匐」は、漢の名将・韓信にまつわる数多くの故事の一つです。以下の四字熟語も韓信の人生や戦略に関わるもので、併せて読むことで理解が深まります。

類義語・対義語

類義語

語句 意味
臥薪嘗胆(がしんしょうたん) 苦難を耐え、復讐や成功を誓うこと
忍辱負重(にんじょくふじゅう) 辱めを受けても大義のために耐えること

対義語

語句 意味
短慮軽率(たんりょけいそつ) 思慮が浅く、軽はずみな行動をとること
衝動行動(しょうどうこうどう) 感情に任せて衝動的に振る舞うこと

韓信匍匐の英語表記と意味

英語表記 意味
Endure humiliation for future success 将来の成功のために恥を忍ぶ
Crawl to rise later 屈辱に耐え後に立ち上がること

忍辱の先に勝機あり|韓信匍匐に学ぶ成功の原点

「韓信匍匐」は、逆境にある人への力強い励ましの言葉です。恥を忍び、屈辱に耐えた者こそ、大きな成功を掴む器となる──その教訓は、古代中国だけでなく、現代にも通じる普遍的な価値を持っています。

仕事や人生において屈辱や挫折を味わうことがあっても、「韓信匍匐」の精神を胸に忍耐強く前に進めば、やがて大きな飛躍のときが訪れることでしょう。

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