キャリアのことを考え始めると、「何か資格を取ったほうがいいのでは?」という考えが浮かびがちです。
特に、仕事に大きな不満はないものの、将来への不安を感じているときほど、資格という“分かりやすい答え”に惹かれやすくなります。
ですが、資格はキャリアの万能解ではありません。取ること自体が目的になると、「頑張ったのに何も変わらない」という結果にもなりかねません。
資格を取りたくなるときの心理
多くの人が資格を意識するのは、次のようなタイミングです。
- 今の仕事に成長実感が持てない
- このまま年齢を重ねることに不安がある
- 自分の市場価値が分からない
これらは、決して間違った感情ではありません。
ただし、その不安をそのまま資格取得に直結させてしまうと、遠回りになることがあります。
資格がキャリアに役立つケース
資格が意味を持つのは、次のような場合です。
- 今の仕事の延長線上で、役割を広げたいとき
- 社内で専門性を示す必要があるとき
- 実務経験+資格で評価される分野にいるとき
この場合、資格はすでにある経験を補強する材料として機能します。
前記事「強味・スキルの棚卸方法」で行った棚卸しが、ここで活きてきます。
今は取らなくていい資格もある
一方で、次のような状態のときは、資格取得を急ぐ必要はありません。
- なぜその資格が必要か説明できない
- 「何か持っていないと不安」という理由だけ
- 取ったあとにどう使うかが見えていない
資格取得を選んだときに起こりやすい落とし穴

資格そのものが悪いわけではありません。ただ、資格取得を選んだときに、次のような状態に陥る人は少なくありません。
行動が「勉強で完結」してしまう
資格の勉強は、やることが明確で、進捗も見えやすい行動です。そのため、「前に進んでいる感覚」を得やすくなります。
一方で、
- どう活かすか
- どこで使うか
- 仕事の中で何を変えるか
といった、本来考えるべき部分は後回しになりがちです。
結果として、頑張っているのに立ち位置は変わらない、という状態が生まれます。
「知っている人」で止まってしまう
資格で得た知識は、確かに役立ちます。ただし、実務で使われない知識は、周囲からは見えにくいものです。
その結果、
- できる人
- 任せられる人
ではなく、知識を持っている人として扱われてしまうことがあります。評価や役割に直結しにくい点は、資格取得の落とし穴の一つです。
資格取得がゴールになってしまう
資格を取ったあと、次の一手が曖昧になるケースも少なくありません。
- この資格をどう使えばいいのか分からない
- 結局、仕事は何も変わっていない
資格取得が目的化すると、キャリアの選択肢は増えたようで、実は増えていないことがあります。
資格より先に考えるべきこと

資格を検討する前に、次の問いを考えてみてください。
- 今の仕事で、もう一段できることは何か
- 自分の強みは、どんな場面で役立っているか
- 社内で求められている役割は何か
これらが見えてくると、「取る意味がある資格」と「今は不要な資格」が自然に分かれてきます。
資格はキャリアの入口ではありません。整理したキャリアを、前に進めるための手段です。棚卸しなしに取る資格は、不安の先送りになりがちです。
今日できる一歩
資格を検討している人は、いきなり講座を探す前に、次をやってみてください。
- 気になっている資格を一つ書き出す
- 「取ったあと何ができるか」を一行で書く
- それが今の仕事とどうつながるか考える
書けない場合は、今は情報収集の段階で十分です。
資格以外の選択肢もある
キャリアを前に進める方法は、資格だけではありません。
- 今の職場で役割を少し変える
- 業務の幅を広げる
- 学習や副業で経験を積む
次の記事では、「社内でキャリアを伸ばす」という選択肢について整理していきます。
転職を考える前にできることは、まだあります。
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