
「え、それ今言う?」「またあの人、横車を入れてきたよ……」
職場での会議中やプロジェクトの進行中に、そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
日常のビジネスシーンでは、「横槍を入れる」や「横車を押す」といった表現がよく使われますが、まれに「横車を入れる」という誤った言い回しを聞くことがあります。
今回は、この2つの慣用句について、意味や語源を正しく理解し、誤用を避けるためのポイントをわかりやすく解説します。
横槍を入れる/横車を押すの正しい意味と具体例
横槍(よこやり)を入れる
具体的な使用例
- 部長の話に突然横槍を入れて、会議室が一瞬シーンとなった。
- 他部署の案件に横槍を入れるのは控えた方がいい。
- 横槍を入れたせいで、話が脱線してしまった。
横車(よこぐるま)を押す
具体的な使用例
- 彼はまた横車を押して、無理な納期を通そうとしている。
- 横車を押されて、現場はかなり混乱していた。
- そんな横車を押されても、こちらとしては対応できない。
どちらもネガティブな文脈で使われることが多く、ビジネス上での使い方には注意が必要です。
語源|それぞれの由来を知ろう
横槍を入れるの語源
この表現は、戦国時代の戦(いくさ)における戦法が語源とされています。敵味方が真正面から戦っているところへ、横から槍(やり)を突き出して攻撃することを「横槍」と呼びました。
つまり、「横槍を入れる」は「本来関係のないところから、脇から割り込んでくる」という意味で、そこから転じて「不意に割り込む・口を出す」といった意味合いが生まれたのです。
横車を押すの語源
「横車」とは、道に対して横向きに車を押すこと、つまり常識や筋道に逆らって無理に事を進める様子を表しています。
古くから「道理に背いた行為」という比喩として使われ、「筋の通らないことを強引に通そうとする」という意味で「横車を押す」という表現が定着しました。
なぜ「横車を入れる」と誤用されるのか?

「横槍を入れる」と「横車を押す」は、いずれも「横」という共通の語が使われており、場の流れを無視して何かを強引に行うイメージが似ているため、混同されやすい表現です。
特に、「横車を押す」は少々古風な響きがあるため、耳慣れた「横槍を入れる」の言い回しと混ざり、「横車を入れる」と誤って言ってしまうケースが見られます。
「車を入れる」という表現自体が日常語としては不自然であるにもかかわらず、比喩表現であることから違和感を持たれにくいのも原因の一つと考えられます。
まとめ|2つの違いをしっかり理解しよう
「横槍を入れる」と「横車を押す」は、どちらもネガティブなニュアンスを持つ慣用句ですが、意味合いや使い方は異なります。
- 横槍を入れる: 話に割り込んで干渉すること
- 横車を押す: 無理な主張を押し通そうとすること
誤って「横車を入れる」と使ってしまうと、相手に違和感を与えたり、信頼を損ねたりする可能性もあります。
社会人として言葉の使い方には気を配り、正確な表現でコミュニケーションの質を高めましょう。
コメント