
「彼のギター演奏、もう素人はだしだよ!」
こんな表現、どこかで聞いたことがあるかもしれませんね。でも、ちょっと待ってください。「素人はだし」って、正しい言い方なのでしょうか? 実はこの表現、誤用なんです。
本来使うべきなのは「玄人はだし」や「素人離れ」という別々の慣用句。それぞれにきちんとした意味と使い方があり、混同されやすいからこそ、正しく使いたいところです。
この記事では、「素人離れ」と「玄人はだし」の正しい意味や語源、そしてなぜ「素人はだし」という誤用が広まったのかを丁寧に解説していきます。
素人離れと玄人はだしの正しい意味と使い方
まずは、それぞれの慣用句の意味と使い方を確認してみましょう。
素人離れ(しろうとばなれ)の意味と例文
例文:
- このプレゼン資料、素人離れしたデザインだね。
- 彼の作る料理は、素人離れしていて、プロ顔負けだ。
- まだ新人とは思えない、素人離れした演技だった。
「素人なのにすごい!」という驚きがベースにある表現です。
玄人はだし(くろうとはだし)の意味と例文
例文:
- この模型、彼の手作りらしいよ。まさに玄人はだしの出来栄えだ。
- 独学とは思えない、玄人はだしのプログラミング技術だ。
- 趣味で描いているとは思えない玄人はだしの油絵。
「玄人(プロ)が裸足になってしまうほど驚かされる」――そんなプロ顔負けの力量を持つ素人を称える言い回しです。
語源をひもとく:なぜ「はだし」や「離れ」なのか
素人離れの語源
「素人離れ」は比較的新しい表現で、明確な出典はありませんが、「素人(素人らしさ)から離れるほど高いレベル」という意味から自然に派生したと考えられています。
「離れる」は「一般的な素人の範疇を超えている」といったニュアンスで、褒め言葉として使われます。
玄人はだしの語源
「玄人」は「くろうと」と読み、「プロフェッショナル」や「専門家」を意味します。一方「はだし(裸足)」は、「準備不足」や「未熟」の象徴として使われることが一般的ですが、ここでは少し違います。
「玄人はだし」は、「玄人が靴を脱いで裸足になってしまうほど、相手の力量に驚いた」というニュアンスがあります。つまり、プロも驚く=思わず身を引くレベルという強烈な意味が込められています。
なぜ「素人はだし」と誤用されるのか?

「素人離れ」と「玄人はだし」は、いずれも「素人とは思えないほどすごい」というニュアンスを持つため、意味の混同が起きやすくなっています。
誤用「素人はだし」が生まれた背景としては、次のような要因が考えられます:
- 「玄人はだし」という表現に馴染みがなく、言い換えたつもりで「素人はだし」と誤認してしまう
- 「素人離れ」「玄人はだし」がともに褒め言葉であるため、両者を混ぜて使ってしまう
- 「はだし」という言葉が、なんとなく強調表現に聞こえ、言い換えとして使われやすい
いずれにせよ、「素人はだし」は辞書にも載っていない誤用表現です。正確な日本語を使うことが求められるビジネスの場面では、特に注意したいですね。
まとめ|「素人離れ」と「玄人はだし」は意味も語源も別物
「素人離れ」と「玄人はだし」は、いずれも「素人とは思えないほどの実力」に対する称賛の表現ですが、その語源やニュアンスには違いがあります。
| 表現 | 意味 | 語源・背景 |
|---|---|---|
| 素人離れ | 素人とは思えないほど優れている | 素人から“離れている”ほどの技量 |
| 玄人はだし | 玄人も驚くほどの力量を持つ素人 | 玄人が裸足になる=圧倒されたイメージ |
一見「素人はだし」でも正しそうに聞こえますが、意味・語源ともに誤りです。
特に公的な書類やプレゼン、ビジネスメールでは、正しい表現を選ぶ意識が重要。今日からはぜひ、「素人離れ」と「玄人はだし」を正確に使い分けてみてください。
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