ひとり親世帯は、子どもの生活と教育を一人で支える必要があるため、生命保険の優先順位が高くなります。
会社員か自営業者か、住宅ローンの有無、養育費や親からの支援の状況によって、必要な保障は大きく変わります。
本記事では、ひとり親が無駄なく「子どもを守る」ための保険を総合的に整理します。
ひとり親世帯が考えるべき保障の基本
ひとり親として子どもを育てていると、「もし自分に万一のことがあったら」「病気やケガで働けなくなったら」と不安を感じる場面が少なくありません。安心して生活を続けるためには、次のような保障を優先的に考えることが大切です。
- 子どもの生活費と教育費を確保する死亡保障
- 働けなくなった場合の生活費を守る収入保障や就業不能保障
- 医療費や長期治療への備えとなる医療・がん保険
- 会社員と自営業者で異なる公的保障の差を埋めるための備え
死亡保障は「生活費+教育費」を軸に必要額を決める
死亡保障の主目的は、残された子どもの生活と進学を守ることです。次の順で考えると過不足が出にくくなります。
-
必要総額の見積もり:
子が独立するまでの生活費(例:毎月20万円×12月×年数)+教育費(幼・小・中・高・大の進路に応じて)+葬儀・最終費用(目安100〜150万円)。 -
差し引けるお金:
貯蓄、遺族基礎年金(子のいる配偶者対象)、会社員なら遺族厚生年金、児童扶養手当、養育費の見込みなど。 -
不足分=保険でカバー:
定期保険または収入保障保険で補う。
例)子ども9歳(小学3年生)・生活費月20万円・高校まで公立、大学は私立文系想定:
・教育費:1,000万円
・貯蓄:300万円
・公的給付等の見込み年間130万円×9年=約1,170万円
以上が見込めるなら、不足は約2,890万円。
ここを定期保険や収入保障保険で埋める、という考え方です。
教育費の目安(進学パターン別シミュレーション)

| 進学パターン | 教育費の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 幼稚園〜高校すべて公立+国立大学 | 約817万円 | 最も費用が抑えられる進路 |
| 幼稚園〜高校すべて公立+私立文系大学 | 約982万円 | |
| 幼稚園〜高校すべて公立+私立理系大学 | 約1,126万円 | 実験・設備費などで費用が高くなりやすい |
| 幼稚園〜高校すべて私立+私立理系大学 | 約2,389万円 | 私立校の費用が積み重なり大きな負担 |
| 幼稚園〜高校すべて私立+私立医歯系大学 | 約3,471万円 | 最も高額な進学ルート 実験・設備費などで費用高 |
収入保障(就業不能)を優先しよう
自営業者には傷病手当金が原則なく、収入が途絶えた場合のリスクはさらに大きくなります。
医療・がん保険の役割
ひとり親世帯では、病気やけがで入院・治療が長引くと、その間の収入が途絶えるリスクがあります。高額療養費制度で自己負担は軽減されますが、差額ベッド代や食事代、交通費、先進医療費などは対象外です。
これらは公的保障ではカバーできないため、貯蓄や医療保険から支給される給付金で備えることが一般的です。
- 医療保険の給付金は医療費だけでなく、差額ベッド代や雑費にも充てられる
- がん保険で先進医療や長期治療への備えを確保
- 過剰な保障は避け、必要最小限で家計を圧迫しないようにする
養老保険・終身保険は原則後回し
貯蓄性の養老・終身は保険料が重く、ひとり親の「今必要な保障」を圧迫しがちです。
住宅ローンと団体信用生命保険(団信)
マイホームを持つひとり親世帯では、住宅ローンが大きな負担になります。特に子どもが小さいうちはローン残債も多いため、万一に備えた保障の考え方が重要です。
ここで知っておきたいのが、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険(団信)です。団信の有無によって、死亡保障に必要な金額が大きく変わってきます。
-
団信あり:
契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、残債は原則ゼロになります。そのためローン分の追加死亡保障は基本不要です。 -
団信なし(例:フラット35の一部や自営業で加入できなかった場合など):
残債がそのまま残るため、死亡保障でローン残高分をカバーする必要があります。 -
健康状態による特約:
がん団信・三大疾病団信などがあり、所定の病気で支払い免除になる場合もあります。免責条件や範囲を必ず確認しましょう。
養育費・両親からの支援は「前提にしすぎない」
離婚に伴う養育費は重要な収入源ですが、支払いが滞る例も少なくありません。親からの支援も事情次第で継続性が不安定です。
会社員と自営業者で異なる公的保障
- 会社員(雇用保険・健康保険・厚生年金):
傷病手当金(最長1年6か月)、遺族厚生年金の上乗せが期待できる。 - 自営業者(国民健康保険・国民年金):
傷病手当金は原則なし。
遺族厚生年金はなく、遺族基礎年金のみ(子のいる配偶者またはその子が対象)。
👉 民間保険での上乗せがより重要。
※ここで挙げた条件は代表的なものです。社会保険制度や各種手当は制度改正で変更される場合があります。最新情報は必ず公式情報でご確認ください。
不要になりやすい保険の例
ひとり親世帯では「子どもの生活を守るための必要保障」を優先すべきであり、保険料がかさむ商品や目的が不明確な契約は避けるのが賢明です。
特に次のような保険は、家計を圧迫しやすく不要になりやすい例といえます。
- 高額な終身死亡保険(保険料が重く、教育費確保を妨げやすい)
- 学資保険の過度な加入(途中解約リスクがあり、NISAなどの積立投資と比較して柔軟性に欠ける)
- 目的不明の特約の付けすぎ(「なんとなく安心」と思って加入すると、毎月の保険料を圧迫)
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まとめ|子どもの生活と進学を守るために、優先順位を明確に
- まずは死亡保障(生活費+教育費)と収入保障を優先。
- 医療・がん保険は必要最小限を確保し、家計の固定費を上げすぎない。
- 養老・終身などの貯蓄型は家計に余力が出てから少額で。
- 会社員と自営業者では公的保障が大きく異なるため、設計は別物と考える。
- 養育費・親の支援は「あると助かる」程度に見積もり、保険は自力で完結できる水準に。
迷ったら、複数社を比較できる無料相談を活用し、あなたの家計と子どもの将来設計に合った“過不足のない”プランに整えましょう。

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