
「このマンションは大手ゼネコンがせこうした」「新しい法律が来月からせこうされる」──この2つの「せこう」は、漢字で書くと「施工」と「施行」のどちらが正しいのでしょうか。
実は、工事を意味する「施工」は「せこう」と読みますが、法律や制度などを実施することを意味する「施行」は、「しこう」と読む場合と「せこう」と読む場合があります。
💡 結論
- 施工: 建築・土木などの工事を実際に行うこと
- 施行: 法律・制度・計画などを実際に実施すること
| 言葉 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 施工 | 工事を実際に行うこと | 建築・土木・設備・リフォームなど |
| 施行 | 法律・制度・計画などを実施すること | 法律・条例・制度・規則・政策など |
この記事では、「施工」と「施行」の違いを、読み方の違いも含めてわかりやすく解説します。
「施工」とは?意味と使い方
「施工(せこう)」とは、建築や土木などの工事を実際に行うことを意味します。
「施工」は、設計された内容に基づいて、建物や道路、橋などを実際に造る作業を指します。そのため、建設業界や設備工事、リフォームなどで広く使われる言葉です。

「施工」の使い方例
- このマンションは大手建設会社が施工した。
- 来月から道路の施工が始まる。
- 経験豊富な施工会社に依頼した。
- 工事の品質は施工管理によって左右される。
- リフォームの施工実績が豊富な会社を選んだ。
「施行」とは?意味と使い方
「施行(しこう・せこう)」とは、法律・制度・計画・規則などを実際に実施することを意味します。
「施」には「行う」という意味があります。そのため、「施行」は決められた法律や制度、政策などを実際に実施する場合や、制定された法令の効力を発生させる場合に使われます。

「施行」の使い方例
- 改正された法律が来月から施行される。
- 新しい条例を施行する。
- 制度の施行日が発表された。
- 施行令や施行規則もあわせて確認する。
- 新制度の施行に向けて準備が進められている。
「施行」は「しこう」と「せこう」のどちら?
「施行」には、「しこう」と「せこう」の両方の読み方があります。辞書では「しこう」を基本の読みとしていますが、法律や行政の分野では「せこう」と読むことが一般的です。
- 施行(しこう): 一般的な読み方。ニュースなどでも広く使われる
- 施行(せこう): 法律や行政の分野で使われることがある慣用的な読み方
法律や行政の分野で「施行」を「せこう」と読むのは、別の法律用語である「執行(しっこう)」との聞き間違いや混同を避けるためと説明されています。
たとえば、法律を効力のあるものにする「施行」と、判決や命令などを実際に実行する「執行」は意味の異なる言葉です。「施行」を「しこう」と読むと、会話では「執行(しっこう)」と聞き分けにくいことから、官庁などでは「せこう」と読む慣用があります。
法律・行政で見かける表現
- 法律を施行(しこう・せこう)する。
- 改正法の施行日(しこうび・せこうび)を確認する。
- 法律の具体的な内容は施行令(しこうれい・せこうれい)で定められている。
- 担当部署が施行規則(しこうきそく・せこうきそく)を確認した。
「しこう」と「せこう」のどちらか一方だけが誤りというわけではありません。一般向けのニュースなどでは「しこう」と読まれることが多く、法律や行政の実務では「せこう」と読む慣用があります。
なお、工事を行う「施工」は、一般に「せこう」と読みます。そのため、次のように読み分けると、意味を判断しやすくなります。
- 施工(せこう): 建物や道路などの工事を行う
- 施行(しこう・せこう): 法律・制度・計画などを実施する
「施工」と「施行」の使い分け

「施工」と「施行」は、工事を行うのか、決められた法律や制度などを実施するのかで使い分けます。
| 表現 | 正しい表記 | 理由 |
|---|---|---|
| マンションをせこうする | 施工 | 建築工事を実際に行うため |
| 道路工事をせこうする | 施工 | 土木工事を行うため |
| リフォームをせこうする | 施工 | 住宅の改修工事を行うため |
| 工事のせこう会社 | 施工会社 | 工事を担当する会社を指すため |
| 新しい法律をしこう(せこう)する | 施行 | 法律の効力を発生させるため |
| 改正条例がしこう(せこう)される | 施行 | 制定された条例を実施するため |
| 制度のしこう(せこう)日 | 施行日 | 制度が実際に実施される日を指すため |
| 新しい規則をしこう(せこう)する | 施行 | 決められた規則を実施するため |
なお、法律や行政の分野では、「施行」を「せこう」と読む慣用があります。
迷ったらこう覚える
- 施工:「工」の字があるため、建築・土木などの工事を行う
- 施行: 法律・制度・計画などを実際に行う
「マンションを施工する」「道路工事を施工する」のように、建物や設備などを造る工事には「施工」を使います。
「法律を施行する」「新制度が施行される」のように、決められた法律・制度・規則などを実施する場合は「施行」を使います。
読み方に迷った場合は、工事の「施工」は「せこう」、法律などの「施行」は一般には「しこう」、法律や行政では「せこう」と読まれることもあると覚えておくと実際の用法に合っています。
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