碁を打つ・将棋を指す|正しい意味と誤用「碁を指す・将棋を打つ」に注意

誤用しやすい慣用句
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「昼休みに同僚と将棋を打って遊んだ」「祖父はよく碁を指していた
――このような表現、日常会話やSNSなどでもよく目にしますよね。しかし、この「碁を指す」「将棋を打つ」という表現、実はどちらも誤用なのです。

それぞれ正しくは「碁を打つ」「将棋を指す」。この言い回し、言葉としてはシンプルですが、なぜ正誤が逆になってしまうのでしょうか。

本記事では、この慣用句の正しい意味や語源、なぜ誤用が生まれたのかまで、社会人向けにわかりやすく解説していきます。

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「碁を打つ・将棋を指す」の正しい意味と具体的な使い方

「碁を打つ」と「将棋を指す」は、それぞれ囲碁と将棋をする行為を表す決まった言い回しです。

  • 碁を打つ囲碁の対局をすること黒石・白石を交互に盤上に“打つ”ことからこの表現が使われます。
  • 将棋を指す将棋の対局をすること。駒を盤上で動かす行為を「指す」と言い表します。

それぞれを使った具体例を見てみましょう。

  • 祖父は週に一度、近所の友人と碁を打つのを楽しみにしている。
  • 彼はプロ棋士を目指して、毎日何局も将棋を指している。
  • 昔の人は、縁側で碁を打ち将棋を指すのが楽しみだったという。

このように、それぞれの競技に応じた動詞を使うことが自然な表現となります。

「碁を打つ」「将棋を指す」の語源とは?

この表現の違いは、それぞれの競技における動作に由来します。

碁を打つの語源

囲碁は、碁石と呼ばれる黒と白の石を、碁盤上の交点に置いていく競技です。この「石を盤面に置く」行為を、日本語では古くから「打つ」と表現していました。

たとえば「手を打つ」「鐘を打つ」など、音を伴う動作に対して「打つ」が使われますが、碁石を「ポン」と置く音や動作から「碁を打つ」という表現が定着したと考えられます。

将棋を指すの語源

一方、将棋は盤上の駒を動かす競技です。この「駒を動かす」動作に対して、日本では「指す」という動詞が使われるようになりました。

もともと「指す」には「方向を示す」「特定の動作を示す」という意味があり、「将棋を指す」という表現は、駒を一手一手進める動作を指し示すことに由来しています。

いずれも長年の競技文化を背景にした、自然な言い回しなのです。

なぜ「碁を指す」「将棋を打つ」と誤用されるのか?

誤用の原因には、いくつかの要因が考えられます。

  • 言葉の響きが似ているため
    「碁」も「将棋」もボードゲームであることから混同されやすく、動詞の「打つ」と「指す」も日常語なので、無意識のうちに入れ替わってしまいがちです。
  • 囲碁・将棋の経験がない人のイメージ
    実際に囲碁や将棋をやったことがない人は、どちらも「駒や石を置くゲーム」として捉えており、動作の違いを認識しづらいのです。
  • メディアや日常会話での誤用の拡散
    SNSやドラマなどでも誤った表現が使われることがあり、それが「耳慣れた言い方」として定着してしまうことがあります。

とくに若年層では、囲碁・将棋に触れる機会が減っているため、正しい動詞を知らないまま言葉を使ってしまうケースが多いようです。

まとめ|「碁を打つ・将棋を指す」を正しく使おう

「碁を打つ」「将棋を指す」は、それぞれの競技に特有の動作から生まれた正しい言い回しです。「碁を指す」「将棋を打つ」という表現は一見正しそうに見えても、本来の意味とはズレた誤用にあたります。

普段あまり囲碁や将棋に触れない人ほど、この違いは意識しづらいもの。しかし、ビジネスの場や文章表現の中では、こうした言い回しの正誤が信頼性に直結することもあります。

ぜひこの記事をきっかけに、慣用句の使い方を見直してみてください。「碁を打つ・将棋を指す」という正しい言葉遣いは、ちょっとした日本語力の差として周囲に伝わります。

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