「嫌気が差す」の正しい意味と使い方|誤用「嫌気がする」との違いも解説

誤用しやすい慣用句
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「この仕事、ほんとに嫌気がするよ……」

同僚のそんな一言に、「あれ? それって日本語として正しいんだっけ?」と気になった経験はありませんか?

実はこの「嫌気がする」、文法的には誤用とされることもあります。

本記事では「嫌気が差す」という正しい表現の意味や使い方、語源、そして「嫌気がする」と言いたくなる理由まで、わかりやすく解説します。

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「嫌気が差す」の意味と正しい使い方

「嫌気(いやけ)が差す」とは、物事に対して強い不快感やうんざりした気持ちが湧き上がることを意味する慣用句です。

「嫌気」は「嫌な気持ち」、「差す」は感情が心に入り込む、浮かび上がるという意味を持ちます。

正しい使い方

1.仕事に嫌気が差す

連日の残業続きに嫌気が差して、転職を考え始めた。
→ 心がすっかり疲れ果てて、やる気がなくなっている様子です。

2.人間関係に嫌気が差す

上司の理不尽な言動に嫌気が差すばかりだ。
→ 継続的なストレスが積もって、不満が限界に近づいているニュアンスです。

3.繰り返す行動に嫌気が差す

何度注意しても改善しない対応に嫌気が差して、関わるのをやめた。
→ 同じことが続いて、堪忍袋の緒が切れる直前の感覚に近い表現です。

「嫌気が差す」の語源とは?

嫌気」は「嫌な気分・気持ち」を意味する名詞です。

このときの「差す」は、ある感情や状態がふいに心に入り込んでくることを表します。
たとえば「魔が差す」「眠気が差す」といった表現がありますが、どちらも「突然、そういう感情や状態が自分の中に湧き上がる」様子を表す言い回しです。

「嫌気が差す」も同様に、嫌な気持ちがふと心に湧き起こる様子を的確に表現しています。

この表現は古くから文語でも口語でも用いられており、現代においても自然な日本語表現として幅広く使われています。

「嫌気がする」は本当に誤用?正しいのはどちら?

「嫌気がする」という表現は、日常会話やネットでもよく耳にします。「寒気がする」「吐き気がする」といった言い回しと似ていて、構文としては自然な日本語です。

ただし、「嫌気が差す」は古くから使われてきた定着した慣用句であり、主要な国語辞典にも広く掲載されています。そのため、文章やビジネスの場面では「嫌気が差す」が推奨される表現といえるでしょう。

一方で「嫌気がする」は、より口語的で軽い印象を与える表現です。意味は通じますが、「嫌気が差す」に比べて正式な印象にはやや欠けるため、使い分けに注意が必要です。

要するに、「嫌気がする」は誤用とは言い切れないが、「嫌気が差す」の方がより適切な表現として推奨される――というのが現在の一般的な見解です。

まとめ|正しい日本語で「嫌気が差す」を使おう

「嫌気が差す」は、嫌な気持ちが湧いてくる状態を正確に表す日本語の慣用句です。一方で、「嫌気がする」という言い回しは誤用とされることが多く、特にフォーマルな場では避けるべきです。

日常的に使われるからといって正しいとは限らないのが日本語の奥深さでもあります。正しい言葉遣いを心がけることは、相手への敬意や自身の品格を示す第一歩です。

ぜひ「嫌気が差す」を正しく使いこなし、誤用とされる表現との違いを意識していきましょう。

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