
「大見得を切る」(おおみえをきる)という表現、よく耳にしますよね。しかし、この慣用句が「見栄を張る」と誤用されることがしばしばあります。
例えば、仕事の打ち合わせで、「彼はまた大見得を切って無理な約束をした」というような使い方。実は、これは正しい使い方ではありません。
「大見得を切る」の本当の意味
「大見得を切る」とは、「派手で目立つ態度や行動をとること」を意味します。
- これは、他人に強い印象を与えるような、大胆かつ目立つ行動を指す言葉です。
- 自己主張が強く、注目を浴びるような振る舞いがこの慣用句の核心となります。
具体例
1. プレゼンテーションでの使用例

「彼はプレゼンテーションで大見得を切って、すべての注目を集めた。」
- 彼はプレゼンテーションで非常に印象的で派手な方法を使い、聴衆の注目を一身に集めた。
2. スポーツの試合での使用例
「試合中、彼女は大見得を切るパフォーマンスを見せた。」
- 試合中、彼女は派手で目立つプレイをし、観客の注目を引いた。
3. 社交的な場での使用例

「パーティーで彼は大見得を切って、すぐに中心人物となった。」
- パーティーで彼は派手な話術や行動で目立ち、すぐに人々の注目の的になった。
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語源から探る:「大見得を切る」の起源

この慣用句は、歌舞伎などの演劇に由来します。舞台上で役者が大きな動作で見得(見せるための所作)を切ることから、日常生活での「大げさに見せつける行動」を指すようになりました。
なぜ間違えやすい?「大見得を切る」と「見栄を張る」の混同
「大見得を切る」は「見栄を張る」とよく混同されて使用されています。
これらの慣用句が混同される主な理由は、両者が「見せつける」という共通の要素を持っていることにあります。ただし、
- 「大見得を切る」は派手な行動や態度を指し、
- 一方の「見栄を張る」は実際の状況や能力よりもよく見せようとすることを指します。

さらに、「見得」と「見栄」は、発音が「みえ」と同じであるため、話し言葉での使用時には特に混同されやすくなります。
この同音の影響で、文脈を正確に捉えないと、どちらの意味で使われているのか誤解する可能性が高まります。
このような理由から、「大見得を切る」と「見栄を張る」は、注意深く使い分ける必要がある表現です。それぞれの慣用句の意味を正確に理解し、適切な文脈で使用することが重要です。
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まとめ:「大見得を切る」を正しく使いこなそう
「大見得を切る」とは、大げさな態度や行動で印象を与えること。誤って「見栄を張る」と使われがちですが、その違いは行動の意図と背景にあります。
この慣用句を正しく理解し、適切に使い分けることで、より豊かな表現が可能になります。日常会話やビジネスシーンでのコミュニケーションに役立ててください。
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