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年が明けると、多くの人が神社へ足を運びます。新しい一年の無事と幸せを願う「初詣(はつもうで)」は、日本ならではの大切な年始行事です。
ただ、毎年なんとなく参拝している人も多いのではないでしょうか?
実は、参拝にはしっかりとした順序やマナーがあります。知っておくと、気持ちの込め方が変わり、より丁寧な一年のスタートになります。
この記事では、神社での初詣の基本マナー・参拝の順番・お賽銭の考え方・願い事の伝え方を、社会人にもわかりやすく解説します。


初詣とは?意味と由来を知っておこう

初詣とは、新年を迎えられたことへの感謝を神仏にささげ、これからの一年の平安と幸せを祈る行事のことです。
起源は「年籠(としごもり)」といわれ、家長が大晦日から元旦にかけて氏神の社にこもり、一年の感謝と新年の祈願を行った習わしに由来します。明治以降、交通や生活様式の変化に伴って、年の初めに家族や友人と神社やお寺へ参拝する現在のスタイルへと広まりました。
なお、本記事は作法の違いに配慮し、神社(神道)での参拝マナーを中心に解説します(お寺の作法は別記事で詳述します)。
参拝の順番とマナー
初詣では、「鳥居をくぐる → 手水 → 参拝 → おみくじ・お守り」の順番で進みます。
① 鳥居をくぐる

鳥居は神様の領域への入り口。
くぐる前に鳥居の正面中央で立ち止まり、軽く一礼(約15度)してから通ります。
中央は神様の通り道(正中)とされるため、左右どちらかに寄って静かにくぐるのが礼儀です。
参拝を終えて帰る際も、鳥居をくぐりきったところで振り返り、同じく軽く一礼(約15度)を捧げましょう。
② 手水(てみず)で清める

(「ちょうず」と読む場合もありますが、神社では「てみず」と読むのが一般的です。)
手水は、参拝前に手と口を清め、心身を浄化するための作法です。
手水の始まりと終わりには軽く会釈を添えるとより丁寧です。
- ハンカチを先に準備:口と手を拭くために事前に取り出します。
- 掲示優先:感染症対策などで口すすぎを省略する場合は、その指示に従いましょう。
【柄杓を用いる場合】
- 手水舎の前で軽く会釈。
- 右手で柄杓を持ち、水をすくう。
- 左手を洗う。
- 柄杓を左手に持ち替えて右手を洗う。
- 再び右手に持ち替え、左手に水をためて口をすすぐ。
柄杓には直接口をつけず、口元を隠して静かに水を落とします。 - もう一度左手を洗う。
- 柄杓を両手で立てて柄に水を流し、使った柄を清めてから伏せて戻す。
- ハンカチで口と手を拭く。
- 最後に軽く会釈して手水を終える。
【流水の場合】
- 手水舎の前で軽く会釈。
- 両手を流水で静かに洗う。
- 両手で水を受け、その水で口をすすぐ(口元を手で隠し、すすいだ水は口元から静かに落とす)。
- もう一度両手を洗う。
- ハンカチで口と手を拭く(周囲に水滴を散らさない)。
- 最後に軽く会釈して手水を終える。
③ お賽銭を入れる
金額に決まりはありません。「ご縁」にちなみ5円玉を入れる人も多いですが、無理のない額で静かにそっと納めるのが基本です。語呂合わせで「二重にご縁(25円)」や「よいご縁(41円)」も人気です。
投げ入れたり大きな音を立てたりせず、感謝の気持ちを込めましょう。
- 金融機関での硬貨入金・両替の手数料は神社側の負担となるため、賽銭の扱いに配慮が求められるケースがあります。
- その対応として、QR決済や交通系ICなどのキャッシュレス賽銭を導入する神社も増えています。利用可否や方法は社頭の案内に従いましょう。
- キャッシュレスでも作法は変わりません。お賽銭(決済)→ 二拝二拍手一拝 の順で、列の流れを妨げないよう静かに行います。
- 投げない・音を立てない(そっと納める)
- 金額で見栄を張らない(大切なのは感謝と誠意)
- キャッシュレス利用時も端末の案内に従い静かに
④ 拍手とお祈り(正式作法:二拝二拍手一拝)
1.二拝(にはい)
「拝」とは最敬礼を指します。一般参拝では45度程度でも構いませんが、できる範囲で丁寧に深く礼を行いましょう。
2.二拍手(にはくしゅ)
肘を軽く開き、両手を肩幅程度に開いて2回拍手を打ちます。
拍手は音を立てても構いませんが控えめに、周囲への配慮を忘れずに。
3.お祈り
番地までは不要ですが、「どこの誰が参拝しているのか」をお伝えする気持ちが大切です。
4.一拝(いっぱい)
- 角度の目安:鳥居=約15度(会釈)/拝=約90度(正式)。一般参拝では約45度でも可。
- 拍手は胸の高さ・肩幅程度に開き・右手を第二関節分ずらすのが基本。
- 住所・氏名は心の中で(神様にどこの誰であるか伝えるため)。
- 最後の一拝で合掌しない(手は体側に下ろす)。
- ※一部の神社(例:出雲大社・宇佐神宮・諏訪大社など)では「二拝四拍手一拝」など独自の作法があります。現地の案内に従いましょう。
願い事の伝え方のポイント

初詣での願い事は「お願い」というよりも、「誓い」を伝える気持ちで。
神様に頼むのではなく、自分の努力を誓う形が理想です。
「今年一年、健康で仕事に励みます」
「家族が笑顔で過ごせるよう努めます」
このように「〜します」という形にすると、より誠実な祈りになります。

おみくじ・お守りの扱い方

参拝のあとに引く「おみくじ」は、運勢を占うもの。
内容に一喜一憂せず、書かれている言葉を「今の自分へのメッセージ」として受け取りましょう。
- 吉・凶を問わず、内容を持ち帰って日常で意識するのが理想です。
- 神社に結ぶ場合は、指定の結び所に軽く結びます。
お守りは、1年を目安に新しいものに交換するのが基本です。古いお守りは感謝の気持ちを込めて神社に納めましょう。
寒さ対策と参拝の心構え

初詣は早朝や夜明け前に行く人も多く、寒さ対策が欠かせません。
マフラーや手袋を着用し、暖かい飲み物を持参すると安心です。
また、混雑する時間帯(特に元日午前)は避け、1月2日〜3日に参拝するのもおすすめです。
静かに手を合わせ、心を整える時間を大切にしましょう。
初詣マナーのまとめ
初詣は、年の始まりに心を清め、感謝と誓いを神様に伝える大切な行事です。
マナーを意識することで、より丁寧で心地よい時間になります。
- 参拝の順番:鳥居 → 手水 → お賽銭 → 二拝二拍手一拝
- お賽銭:5円=ご縁。投げずにそっと入れる。
- 願い事:「お願いします」より「誓います」が理想。
- 初詣の期間:1月1日〜7日ごろまでが一般的(神社によっては1月中〜節分も可)。
新しい年のスタートを、気持ちの良い一礼で。
2026年があなたにとって穏やかで実り多い一年になりますように。
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